サーバー証明書とクライアント証明書
InfoPrint ManagerサーバーとInfoPrint Managerクライアント間のトラフィックを暗号化するには、デジタル証明書が必要です。各デジタル証明書には、キー(プライベート部分)と証明書(パブリック部分)の2つの部分があります。キーは常に秘密にしておかないと、通信の安全を維持できません。
次のことが可能です。
- 個人的に証明書を生成できます。
- 世界的に知られているサードパーティの認証局(CA)から証明書を購入できます。
最初のケースでは、CA認証局証明書を生成する必要があります。CAキーファイルは、生成した証明書(サーバーおよびクライアント用)に署名します。CA証明書は、生成した証明書を認証します。CA証明書(パブリック部分)は、受信した証明書を検証するためInfoPrint Managerサーバーおよびクライアントで利用可能である必要があります。
2番目のケースでは、Mozilla組織が管理するCAのコレクションであるMozilla CA Certificate Storeを使用して証明書が検証されます。rawファイルは、https://hg.mozilla.org/mozilla-central/raw-file/tip/security/nss/lib/ckfw/builtins/certdata.txtです。
certdata.txt
ファイルは、OpenSSLでの使用に適した形式で、InfoPrint Managerとともに配布されます。 通常、certdata.txt
に含まれる証明書は398日で有効期限が切れます。Mozilla組織が管理するCAのコレクションを更新するには、以下の手順に従います。
perl
とcurl
がインストールされ、インターネットアクセスが行われているコンピューターでは、InfoPrint Manager を実行しているコンピューターから、またはInfoPrint Managerクライアントコンピューターから、mk-ca-bundle.pl
をコピーします。mk-ca-bundle.pl
スクリプトは<install path>\bin
ディレクトリにあります。- 注意:
- また、
mk-ca-bundle.pl
スクリプトを https://raw.githubusercontent.com/curl/curl/master/scripts/mk-ca-bundle.pl からダウンロードできます。 curl
を、https://curl.se/download.html からダウンロードできます。perl
およびcurl
がPATHで使用されていることを確認します。
- また、
- コンソールを開き、ディレクトリーを
mk-ca-bundle.pl
スクリプトの場所に変更します。 - 以下のコマンドを実行します。
perl mk-ca-bundle.pl -s SHA256 -t -p SERVER_AUTH,CLIENT_AUTH,CRL_SIGN:TRUSTED_DELEGATOR
certdata.txt
の名前をca-cert.pem
に変更します。- InfoPrint Managerを実行している全てのコンピューター、および全てのInfoPrint Managerクライアントコンピュータへ、
ca-cert.pem
をコピーします。Windowsの場合、場所はC:\Windows\ipm
です。AIX、Linux、MacOSの場合、場所は/etc/ipm
です。 ca-cert
ファイルがコピーされている各コンピューターを再起動します。
サーバー証明書は、X509v3 Extended Key Usage(EKU)が、Server Authentication(TLS Web Server Authentication)に設定されている必要があります。X509v3 Key Usageは、Digital SignatureとKey Enciphermentである必要があります。
Mutual Authenticationを使用するには(クライアントがサーバー証明書を検証し、サーバーもクライアント証明書を検証します)、クライアント証明書が必要です。
クライアント証明書は、X509v3 Extended Key Usage(EKU)が、Server Authentication(TLS Web Client Authentication)に設定されている必要があります。X509v3 Key Usageは、デジタル署名である必要があります。
Mutual Authenticationが必要な場合は、サーバー証明書は、X509v3 Extended Key Usage(EKU)をServer Authentication(TLS Web Server Authentication)およびClient Authentication(TLS Web Client Authentication)に設定する必要があります。
デジタル証明書のSubjectフィールドは、DNSからの完全なコンピューター名(ipmsrv.example.comなど)に設定するか、DNSドメインのワイルドカード(*.example.com など)に設定してください。
X509v3 Subject Alternative Name(SAN)には、そのコンピューターの他の名前またはエイリアス(使用可能な場合)、およびコンピュータ名に関連付けられたIPアドレスが含まれている必要があります。証明書のフィールドは次のようになります。
DNS:alt1.example.com, DNS:alt2.example.com, IP:10.0.0.1, IP:fc00::1
、ここで、ホスト名には「DNS」、およびIPアドレスには「IP」のプレフィックスが付きます。
SSL/TLS証明書の有効期限が切れるまでの残り日数が31日未満になると、InfoPrint Managerが警告を表示します。エラーログに、次のようなメッセージが発行されます。「5010-907 The SSL/TLS certificate for InfoPrint Manager expires on May 21 10:33:41 2029 GMT」中断を回避するためには、証明書の更新を検討する必要があります。
InfoPrint ManagerサーバーでSSL/TLSが有効かどうかを確認するため、InfoPrint Managerサーバー起動後、エラーログファイルに次のメッセージがあるか確認します。「5010-908 InfoPrint Manager started with SSL/TLS enabled.」
暗号化が無効になっている場合、InfoPrint Managerサーバーは、以前のバージョンのクライアントおよびサーバー(TLS暗号化を認識しない)からの接続を受け入れます。InfoPrint Managerサーバーで暗号化を有効にすると、そのようなクライアントまたはサーバーはシステムと通信できなくなります。暗号化が有効になっているInfoPrint Managerサーバー、またはTLS暗号化の使用がわかっているInfoPrint Managerクライアントのみが、システムと正常に通信します。