カラースペースと ICC プロファイル
装置ごとに、それ自体のカラースペースがあり、表示または印刷できるカラーの範囲があります。カラースペースは、特定の装置に表示されるとき、カラー情報がどのようにイメージで表されるかを指定します。ある装置から次の装置にイメージが受け渡されると、そのイメージに関するカラー情報は、ソース装置のカラースペースから宛先装置のカラースペースに変換されます。カラースペースが装置間で正確に一致することはないため、変換プロセスで一部のカラー情報が失われる、あるいは変更される可能性があります。
カラースペース は個別のカラーの表現で、結合することによって別のカラーを表現できます。印刷に関係するカラースペースには、以下のものがあります。
- RGB
RGB カラースペースでは、赤、緑、および青の光を異なるバランスと輝度で組み合わせることによって、さまざまなカラーが表現されます。RGB カラーは通常、0 から 255 までの 1 バイトの整数で指定されます。3 色のそれぞれに 256 レベルの輝度を指定できます。例:
- R=0、G=0、B=0 で黒
- R=255、G=255、B=255 で白
- R=251、G=254、B=141 で淡い黄色
- R=210、G=154、B=241 で明るい紫
- CMYK
CMYK カラースペースでは、シアン (明るい青)、マジェンタ (明るい赤紫色)、黄色、および黒の色素を組み合わせることによって、さまざまなカラーが表現されます。CMYK 値は通常、パーセンテージで表されます。このパーセンテージは、インクまたはトナーが付着する、用紙の特定の領域での割り当てを表します。例:
- C=0%、M=0%、Y=0%、K=100% で黒
- C=0%、M=0%、Y=0%、K=0% でページ上の空白部分
- C=1.6%、M=0%、Y=44.7%、K=0.4% で淡い黄色
- C=17.6%、M=39.6%、Y=5.5%、K=5.5% で明るい紫
CMYK カラースペースの表現方法は、プリンターおよび用紙によって異なります。多くのイメージのオリジナルカラースペースは RGB カラースペースであるため、そのオリジナル特性を常に保っておくためには、イメージを RGB カラースペースのままにしておくのが最良の方法です。このため、プリントサーバーまたはプリンターは、プリンターと用紙の組み合わせに最も適切な CMYK カラースペースにイメージを変換するため、可能な限り多くのオリジナルカラー情報を持っています。
イメージを CMYK カラースペースを使用して保存する場合、そのカラースペースの ICC プロファイルも保存しておくか、あるいは標準の非装置特定 CMYK カラースペース (たとえば SWOP または Coated FOGRA27) を使用し、該当する ICC プロファイルをイメージに関連付けてください。
- 注意:
- RGB および CMYK 値はどちらも、異なる方法で表されることがあります。例えば、PostScript データストリームでは値の範囲は 0.0 ~ 1.0 ですが、一部のグラフィックアートプログラムでは 16 進数またはパーセンテージで表現される場合があります。
ICC プロファイル には、装置特定カラースペースと装置に依存しないカラースペース との間でイメージを変換するための情報が入っています。装置に依存しないカラースペースとは、特定の装置の特性には依存 (関係) せず、すべてのガモットのすべてのカラーを含むカラースペースです。ICC は特定のプロファイル接続スペース (PCS) を、すべての ICC プロファイルにおける装置に依存しないカラースペースがターゲットであるものとして識別します。
入力 ICC プロファイルを使用すると、ある装置 (デジタルカメラなど) で作成されたカラーデータを PCS に変換できます。そのあと、出力 ICC プロファイルを使用することによって、PCS から別の装置 (プリンターなど) に固有のカラースペースに変換できます。あるカラースペースから別のカラースペースへのイメージ変換では、いくつものプロセスが必要になります。印刷システムのパフォーマンスに影響しますが、一貫したカラーをシステム内の装置間で保っておくためには最良の方法です。