ハーフトーンとトーン転送カーブ

ハーフトーンは、モニターで見える連続的な色調からプリンターが用紙に印刷できるドットのパターンにイメージ (写真、図面、ロゴ、図表など) を変換するために使用されます。トーン転送カーブは、ある特定のカラー要素の値を変更し、いくつかのカラーのルックアンドフィールを調整するために使用されます。例えば、トーン転送カーブを適用すると、イメージで最も高輝度になっている部分を強調できます。

ハーフトーンおよびトーン転送カーブは、カラー印刷ジョブとグレースケール印刷ジョブの両方に使用されます。

クラスタードット、確率、誤差拡散など、ハーフトーンにはいくつかの種類があります。ここでは簡単に、クラスタードットハーフトーンについてのみ説明します。

一般に、クラスタードットハーフトーンの特徴として、以下の要素があります。

  • 印字密度

    印字密度とはハーフトーンの解像度を表す尺度で、行/インチ (lpi) で表されます。印字密度が低い (例えば 80 lpi) 場合、ハーフトーンドットが大きくなるため、粗いイメージになります。印字密度が高い (例えば 150 lpi) 場合は、小さなハーフトーンドットで高品質のイメージを表現できます。

  • ハーフトーンパターン

    ハーフトーンドットは、さまざまな形状およびパターンで印刷されます。例えば、一般的に円、楕円、または正方形のドットがあり、わずかに異なる向きで配置することもできます。さらにハーフトーンパターンは、ドットのサイズをどのくらい大きくするかを記述します。ドットが大きくなると、領域全体の中でより大きな割合をカバーし、より暗いカラーになります。印刷ジョブによっては、異なるパターンでより好ましい結果が得られる場合もあります。

  • 回転

    ハーフトーンドットの配列は、用紙の縦または横方向に対して平行に並んでいるわけではありません。意図どおりではないパターンが表示され、出力の品質が低くなる可能性があるからです。

    また、CMYK プリンターにおける 4 つのカラーそれぞれのドットは、正確に重なり合わないので、すべて同じ角度で印刷することができず、カラーが意図どおりに印刷されない可能性があります。その代わり、ページ上でドットの配列は特定の角度で印刷されるため、人間の目から見ると、適度に混ぜ合わされています。

    例えば、イメージの黒のレイヤーを印刷するときには、ドットの配列が用紙の縦方向に対して 45 度にページを横切るようにして、シアンのレイヤーを印刷するときには、ドットの配列が用紙の縦方向に対して 105 度になるようにできます。

ドットゲインの効果を打ち消すため、トーン転送カーブが頻繁に使用されます。ドットゲイン とは、印刷されたドットが意図したものよりも大きくなってしまう潜在的な現象のことで、その多くは、インクの用紙との反応が原因です。インクが用紙に染み込んで広がってしまうと、プリンターで印刷しようと意図していたものよりもドットは大きく (カラーによっては薄く) なります。トーン転送カーブによって、ドットゲインに比例してインクの量を多く、または少なくできます。