インサーター制御ファイル用のヘッダー規則ファイル

ヘッダー規則ファイルは、ヘッダーレコードのフィールドを定義し、レコードの各フィールドに入れる値を指定します。RICOH ProcessDirectorは、ヘッダー規則ファイルを使用して、インサーター制御ファイルの先頭にヘッダーレコードを作成します。通常、RICOH ProcessDirector はインサーター制御ファイルに 1 つのヘッダーレコードを作成します。一部のインサーターはヘッダー内に複数の XML エレメントを生成しますが、これらのエレメントは XML 出力ファイル内で 1 回しか出現しません。このファイルは、インサーター制御ファイル形式にヘッダーレコードが指定されている場合のみ必要です。

すべてのインサーター制御ファイルがヘッダーレコードを必要とするわけではありません。この場合、ヘッダー規則ファイルは必要ありません。

目的

RICOH ProcessDirector は、ヘッダー規則ファイルを使用して、インサーター制御ファイルのヘッダーレコードを作成します。

RICOH ProcessDirector では、inserter ディレクトリー内に以下のサンプルヘッダー規則ファイルが用意されています。

  • /aiw/aiw1/samples/control_files/inserter (Linux)

  • C:\aiw\aiw1\samples\control_files\inserter (Windows)

インサーター製造元 ヘッダー規則ファイル
Bowe BOWE.icf.halFile.header.dsc
Bowe (JetVision カメラシステムあり) なし (ヘッダーレコードなし)
Bowe Bell & Howell なし (ヘッダーレコードなし)
Gunther なし (制御ファイルは使用しない)
インサーター (Ironsides カメラシステムあり) なし (ヘッダーレコードなし)
Kern なし (ヘッダーレコードなし)
Pitney Bowes PB.icf.inputFile.header.dsc
Quadient quadient.jaf.inputfile.dsc

RICOH ProcessDirector は、各フィールドに固定値 (文字、空白、ゼロなど) または以下の RICOH ProcessDirector プロパティーのいずれかの値を設定できます。

  • ジョブプロパティーインサータージョブ名 (Job.Inserter.JobID)、 ジョブ名 (Job.Name)、および ロードプランコメント (Job.Insert.LoadPlan.Comment)

      注意:
    • 別のジョブプロパティーの値をインサーター制御ファイルに設定しなければならない場合、そのジョブプロパティーの行をファイル /aiw/aiw1/config/fbi/icf_job_del_properties.cfg に追加する必要があります。

  • いずれかの文書プロパティー (Doc で始まる文書プロパティー)

    例えば、CEL aggr 関数に Doc.CurrentSheetsおよび Doc.Insert.BinTriggersプロパティー値を指定して、ジョブ内のすべての文書にシート数と挿入データを追加します。この関数は、ヘッダーレコードのPlannedSheetCountフィールドに合計値を入力します。サンプルは、PB.icf.inputFile.header.dsc サンプルヘッダー規則ファイルに含まれています。

ヘッダー規則ファイル用の RICOH ProcessDirector プロパティー に、インサーター制御ファイルのヘッダーレコードに設定できるプロパティーをいくつかリストします。プロパティーは、そのデータベースプロパティー名で指定します。

ヘッダー規則ファイル用の RICOH ProcessDirector プロパティー

プロパティー (フィールド名) プロパティー (データベース名) 説明 タイプ 長さ (文字数)
インサータージョブ名 Job.Inserter.JobID インサーターがジョブに使用するジョブ名。デフォルト値は ジョブ番号 (Job.ID) プロパティーです。 character 255
ジョブ名 Job.Name ジョブ名。 character 128
ロードプランコメント Job.Insert.LoadPlan.Comment オペレーターが各インサータービンにロードする素材 (または挿入物) の名前。 character 128

書式

コメント行の先頭はポンド記号 (#) にします。

規則ファイルの各行は、ヘッダーレコードのフィールドを定義します。各行の形式は、次のようになります。

field_name,data_type,length,[expr=content_language_expression]
field_name
ヘッダーレコードのフィールドの記述名を指定します。この名前には空白文字を使用できません。
data_type
フィールドのデータ型を指定します。指定できる値: character、varchar、integer、bigint、smallint、timestamp、time、date、double、float、real。
長さ
フィールドの長さ (文字数) を指定します。このフィールドは、固定長レコードのインサーター制御ファイルの場合に必要です。コンマ区切りレコードの制御ファイル、および XML 形式ファイルの場合、このフィールドはオプションです。
[expr=content_language_expression]
RICOH ProcessDirectorコンテンツ表現言語(CEL)で式を指定します。RICOH ProcessDirectorは、CEL式を評価して、フィールドに設定する値を決定します。この式では、固定値 (空白やゼロなど) または RICOH ProcessDirector プロパティーの値を指定できます。CEL 関数を使用することもできます。CEL 言語および関数については、関連参照トピックを参照してください。

このパラメーターはオプションです。省略すると、制御ファイルのフィールドは、そのフィールドのデータ型に応じてゼロまたは空白になります。

次の例は、インサーター制御ファイルのヘッダーレコードに含まれる先頭の 2 つのフィールドを定義する例です。
JobID,character,8,[expr=Job.Inserter.JobID]RunID,character,15,[expr="           TEST"]
Job.Inserter.JobID プロパティーの値は 10000034 であると想定します。インサーター制御ファイルの形式が固定長レコードの場合、ヘッダーレコードは次のようになります。
10000034          TEST