物理的な差し込み用紙を排除する

ある印刷サービスビューローは、クレジットカード関連の書類の空白部分に、フルカラーの電子的な挿入データを印刷することによって、封筒に物理的に挿入しなければならなかった用紙の数を減らそうとしています。

この印刷サービスビューローは、さまざまな種類のカスタマー向けの、書類および One-to-One 広告パンフレットを印刷しています。カスタマーは、リソースおよび印刷ジョブデータをサービスビューローに送信します。プリプレススタッフは、文書構成ツールを使用して AFP ジョブを作成しています。AFP 印刷ジョブは RICOH ProcessDirector に実行依頼され、そこから 10 台の両面印刷 InfoPrint 4100 システムに送信されます。ジョブは印刷された後、折りたたみ、差し込み、および郵送の後処理に進みます。

このサービスビューローは、必要なリソースをそれぞれの印刷ジョブとともに送信するようカスタマーすべてに依頼し、リソースを無期限に保管しておくことはありません。カスタマー (クレジットカード会社など) の多くは、書類とともに封筒に差し込み用紙を入れます。このやり方には、以下の問題があります。

  • 封筒に用紙を差し込む処理で破損が生じてしまい、書類を再印刷しなければならないことが頻繁にあります。再印刷によって、プロセスにかかる時間とコストは増えます。
  • 多くの場合、カスタマーは差し込み用紙に興味を示しません。封筒を開けるとすぐにより分けて、捨ててしまいます。

サービスビューローは、その提供形態を広げ、AFP カラーソリューションで印刷したフルカラー可変データを組み込もうと考えています。また、封筒に用紙を差し込む作業の複雑さを軽減することで、時間、経費、および用紙を節約できると考えています。書類を折って封筒に入れる (さらに 2 枚の用紙を加え、折りたたみ、差し込むのではなく) だけであれば、郵送物を破損してしまう危険性は低くなります。

ソリューション

サービスビューローは Ricoh のチームと協力し、カスタマーが広告のために物理的な差し込み用紙ではなく電子的な挿入データの使用に移行できるよう、既存のプロセスおよび環境に基づいてソリューションを実現しようとしています。カスタマー向けの書類の空白部分や両脇にフルカラー広告を印刷することによって、差し込み用紙のいずれかを排除することが目的です。

クレジットカード会社が、カスタマーそれぞれの特性を決定するデータおよび規則を識別することができれば、電子的な挿入データを書類ごとに変えることができます。例えば、カスタマーの個人情報に応じて、ミニバン、スポーツカー、またはオートバイの広告を請求書に載せることができます。

インプリメンテーション

この新しいカラー機能を利用するため、サービスビューローはワークフローにいくつかの変更を加えます。

  • 両面印刷 InfoPrint 5000 システムを設置し、そのシステムに印刷ジョブを実行依頼するよう RICOH ProcessDirector を構成します。
  • カラーイメージおよびロゴ、さらにフォントやグラフィックスを使用するときのガイドラインとして、カスタマーに手順を提案します。
  • カラープロファイル管理およびイメージ標準化のためのグラフィックスアプリケーションを使いこなせるよう、プリプレス部門を指導します。
  • カスタマーがガイドラインに従っているかどうかを確認するステップをプロセスに追加します。従っていなければ、プリプレススタッフが、ガイドラインに準拠するよう解像度および入力カラープロファイルを調整してから、印刷ジョブを実行依頼します。