プロパティー

RICOH ProcessDirectorはプロパティーを使用して、全てのオブジェクト(入力装置、ワークフロー、ジョブなど)の特性を定義します。プロパティーおよび対応する値は、データベース表に保管されます。

RICOH ProcessDirector ユーザーインターフェースには、各プロパティーの詳しい説明が用意されています。この説明では、有効な値およびプロパティーそれぞれの意味に関する情報が提供されています。

プロパティーは次のとおりです。

システムプロパティー
システムプロパティーは、RICOH ProcessDirector システムおよび RICOH ProcessDirector オブジェクトの一部のハイレベルな特性を定義します。例えば、システムプロパティーは、ユーザーは自分のパスワードをどれ位の頻度で変更する必要があるのかを制御します。

一般的に管理者は、システムを最初に構成する際に、インストールに必要なシステムプロパティーを設定します。管理者は、RICOH ProcessDirector ユーザーインターフェースの管理ページを使用してシステムプロパティーにアクセスし、後でシステムプロパティーを設定または変更することもできます。

入力ファイルプロパティー
入力ファイルプロパティーは、RICOH ProcessDirector がその入力装置から受け取る、ファイルの特性を定義します。

RICOH ProcessDirector が入力ファイルプロパティーの値を提供し、それらをテーブルに表示します。ユーザーは、これらのプロパティーの値を確認できますが、編集することはできません。たとえば、ユーザーは正しいワークフローが特定の入力ファイルに適用されたことを確認できます。RICOH ProcessDirectorは、入力装置プロパティーを使用して、入力ファイルを受信した時刻を記録します。監査目的などで、特定のファイルが指定された時刻に到着したことを確認する必要がある場合、この情報はオペレーターにとって有用なものとなります。

入力装置プロパティー
入力装置プロパティーは、入力装置の特性を定義します。

入力装置プロパティーは一般に、入力装置の作成時に管理者によって設定されます。例えば、入力装置プロパティーを使用して通信エラーの最大数を制御することによって、設定された最大数を超えた場合に RICOH ProcessDirector が入力装置をシャットダウンするよう指定できます。また、入力装置にワークフローを割り当てることによって、入力装置で受信されたすべての入力ファイルにステップおよびジョブプロパティー値の特定のセットを適用できます。

ステップテンプレートプロパティー
管理者は、RICOH ProcessDirector に用意されているステップテンプレートを使用して、RICOH ProcessDirector システムのワークフロー内の個々のステップを作成できます。

ステップテンプレートプロパティーは、ステップの特性 (ジョブプロパティーに設定するデフォルト値など) を定義します。

ステッププロパティー
ステッププロパティーは、フェーズ内の処理ステップの特性を定義します。ステッププロパティーは一般的に、ワークフローの初期構成時に管理者によって設定されます。ステップはワークフローの中にあります。
ジョブプロパティー
ジョブプロパティーは、受け取った入力ファイルから RICOH ProcessDirector 入力装置によって作成される、ジョブの特性を定義します。

ジョブプロパティーは、RICOH ProcessDirector で最大のプロパティーグループです。これらのプロパティーは、ジョブ処理の全ての局面を制御します。例えば、ジョブプロパティーを使用して次の項目を実行できます。

  • ジョブに必要なメディアを指定する。
  • ヘッダーページまたはトレーラーページをジョブで印刷するかどうかを指定する。
  • すべてのジョブ処理が完了した後、設定された期間だけジョブを保存する。
ジョブプロパティーはさまざまな方法を使用して設定されます。最も一般的な方法は、ジョブが RICOH ProcessDirector システムに到着したときに、ワークフローを作成し、ジョブプロパティーを設定する方法です。管理者がワークフローを入力装置に割り当てると、入力装置は、受信したすべてのジョブにジョブプロパティーの値を適用できるようになります。RICOH ProcessDirectorでは、ジョブごとにジョブプロパティーの値を変更または上書きすることもできます。

文書処理機能をインストールした場合、文書プロパティーを使用して、各ジョブ内の文書の特性を定義します。文書プロパティーは、可変データジョブで特に有用です。文書プロパティーを使用して、以下のような文書ごとに変更されるデータを追跡できます。

  • アカウント番号
  • カスタマー名と住所
  • 送付方法

文書プロパティー
RICOH ProcessDirectorは、使用できる一般的な文書プロパティーのセットを提供しますが、独自に定義することもできます。文書プロパティーの値は、通常、RICOH ProcessDirector for Adobe AcrobatまたはRICOH Visual Workbenchを使用して、提供された仕様に基づいてジョブから抽出されます。
ワークフロープロパティー
ワークフロープロパティーにはステップと、ステップで設定されるジョブプロパティーが含まれます。
プリンタープロパティー
プリンタープロパティーは、プリンター装置のネットワーク上の位置およびスケジューリング特性を定義します。
ユーザープロパティー
ユーザープロパティーは、システムの使用を許可されているユーザーの特性を定義します。

RICOH ProcessDirector には、あらかじめ定義されたグループのセットが用意されています。独自のグループの定義もできます。初期構成の間にグループをユーザーに割り当てるのは管理者です。グループは、ユーザーがアクセスできる RICOH ProcessDirector インターフェースの機能および領域を制御します。

カスタムプロパティー
カスタムプロパティーは、インストレーションに固有のジョブおよび文書プロパティーです。提供されているジョブプロパティーや文書プロパティーがどれも要件を満たしていない場合、自分で定義することができます。カスタムプロパティーの特性は、データベース名から異なるユーザーグループのアクセスレベルまで構成できます。一旦アクティブになると、カスタムプロパティーは他のジョブや文書のプロパティーと同様に使用することができます。