事前印刷用紙を差し替える

ある銀行では、保管しておく用紙の枚数を減らそうと考えています。一部の書類をカラープリンターで印刷することによって、使用する事前印刷用紙のいくつかを減らすことができれば、この銀行では、同じタイプの未使用の用紙を他の業務に回すことができます。

過去 5 年間にわたって、この銀行は他の小さな 10 の銀行を買収し、その他の銀行とも折衝を続けています。この親銀行は AFP システムを使用して、書類を社内で事前印刷用紙に印刷しています。事前印刷用紙には、すべてカラーロゴが入っています。そのうちのいくつかには、ページの領域を区切る背景イメージやカラーのブロックも入っています。既存のシステムの構成は以下のとおりです。

  • ページプリンター書式設定援助機能 (PPFA) フィーチャーを含む RICOH InfoPrint Manager
  • 3 つの両面印刷 InfoPrint 4000 ライン
  • 2 つの両面印刷 InfoPrint 4100 ライン
印刷ジョブは行データとして実行依頼され、RICOH InfoPrint Manager がそれらを AFP に変換します。AFP リソースは中央の場所に保存されています。カラー実動プリンターは使用されていません。

買収された銀行では、さまざまな方法で印刷を行っていました。一部の銀行は社内に印刷部門を持ち、また一部の銀行は印刷業務を他の会社に委託していました。親銀行の印刷スタッフは多大な時間を費やして、まず印刷を外部に委託していた銀行から始め、買収した銀行の印刷業務を自社で行っている社内印刷に移行します。そのうち 5 つの銀行が切り替わりました。ここで、印刷部門の管理者は、興味深い問題に直面することになります。

  • 社内印刷の負荷が増えるということは、印刷業務における能力を上げなければならないことを意味する。
  • 親銀行が買収した銀行はそれぞれ、独自のロゴおよび商標を持っている。1 つの銀行が印刷業務に統合されるたび、注文および保管しなければならない事前印刷用紙が少なくとも 5 種類増える。
  • 各種の事前印刷用紙が同じ業者によるものであっても、カラーが明らかに異なる。
  • 買収された銀行は最終的に、その古いロゴと用紙を親銀行のロゴと用紙に変更するが、いつ行われるかは決まっていない。

保管しておかなければならない用紙の枚数が増えるほど、その保管スペースが問題になります。印刷業務における能力を上げなければならないことをチームは理解していますが、新しい両面印刷ラインを設置するスペースはありません。保管しておかなければならない用紙をある程度減らすことができれば、その分の保管スペースを新しいラインのために使用できます。

ソリューション

リコーのチームは、次の操作を実行できるように、AFP カラーソリューションを提案しています。

  • 事前印刷用紙を単純なカラーステートメントに変換し、事前印刷用紙の必要性をなくします。これで、保管しておかなければならない用紙が減ることになります。
  • 買収された銀行に親銀行のロゴおよび用紙を適用するプロセスを合理化します。
  • スループットが最大になるよう、リソース管理を最適化します。
  • ジョブとジョブとの間で、カラーがより一定になるようにします。

このソリューションでは、両面印刷 InfoPrint 5000 ラインと AFPリソースインストーラー を既存のシステムに追加し、他のコンポーネントを更新して AFP カラーサポートを追加します。銀行は、InfoPrint 5000 ラインのスループットが InfoPrint 4100 ラインのスループットよりも小さいという事実を考慮して、どのアプリケーションをカラーワークフローに移行するかを選択できます。さらに、既存の InfoPrint 4100 または InfoPrint 4000 プリンターは、必要なカラー要素を印刷できないため、これらの印刷ジョブを処理することができません。

システムの使用に熟練すると、印刷スタッフは InfoPrint 4100 プリンターに用意されている高品質グレースケールを使用できるようにすることで、より多くのアプリケーションを最終的にカラーに移行する準備を開始できます。その後、別のカラー印刷ライン (用紙の保管スペースを小さくするか、または InfoPrint 4000 ラインのいずれかを廃止することによって) 設置する準備ができたら、印刷ジョブをカラープリンターに送ることができます。

RICOH AFP Resource Installer および InfoPrint 5000 プリンターを追加するためのソリューションダイアグラム

このイメージは、ここで説明されているソリューションを示すフローチャートです。

インプリメンテーション

カラーソリューションを実現するため、銀行の印刷スタッフは、次のいくつかの局面でリコーチームと協力します。

  • カラーソリューションを計画する
    • リソースライブラリーを必要とするアプリケーションすべてがアクセスできるよう、そのライブラリーをどこにおくかを決定します。
    • 再利用するため、プリンターに保存できる (保存しなければならない) リソースのタイプを決定します。一般に、シグニチャーファイルをプリンターに保存することはお勧めしません。ロゴおよび背景イメージであれば、保存しておくようお勧めします。
  • システムをインストールおよび構成する
    • InfoPrint 5000 プリンターをインストールします。
    • サービス更新を RICOH InfoPrint Manager および PPFA に適用し、カラーサポートを追加します。
    • AFPリソースインストーラーをインストールします。
  • 最適なパフォーマンスを考慮してリソース管理を構成する
    • AFPリソースインストーラー を使用して、InfoPrint 5000 プリンター用の CMR をインストールします。
    • 事前印刷用紙の PDF ファイルを入手するか、またはグラフィックアートソフトウェアを使用して、背景イメージとして使用するフルページイメージを作成します。
    • AFPリソースインストーラー を使用して PDF またはイメージをデータオブジェクトリソースとしてインストールし、カラー変換 CMR を関連付けます。
    • AFPリソースインストーラー が使用するリソースライブラリーを認識するように、また印刷ジョブを新しいプリンターに送信するように、RICOH InfoPrint Manager を構成します。
    • PPFA を使用して、新しいデータオブジェクトリソースを呼び出す書式定義およびページ定義を作成します。

      インストールするときには、指定した ID を使用しているオブジェクトを参照してください。

    • 作成した新しい書式定義またはページ定義をすべて、既存のリソースライブラリーにコピーします。
  • システム動作をテストする
    • 書式定義およびページ定義を呼び出し、新しいリソースライブラリーを指す印刷ジョブを作成します。
    • その印刷ジョブを実行依頼します。
    • カラー出力を検査します。