プルリストを処理するワークフローを設定する

プルリストを使用してジョブから文書を抽出するには、SetDocPropsFromList ステップテンプレートに基づくステップを含むワークフローを設定します。ジョブから抽出された文書と、ジョブに残る文書の両方を処理するには、追加のステップおよび条件付き処理 (または追加のワークフロー) が必要です。
PullPDFSampleが用意されているワークフローは、この手順で設定する PDFワークフローに似ています。独自のワークフローを設定する前に、 PullPDFSampleワークフローを開きます。この手順を読みながら、ワークフローにあるステップと条件付き処理を確認します。
    注意:
  • AFP Support 機能がインストールされている場合は、 PullAFPSampleが用意されているワークフローによって、AFP ファイルを処理するワークフローからの文書の抽出方法が表示されます。
プルリストを処理するワークフローを設定するには、次の手順に従います。
  1. 文書がプルされるかどうかを指定するデータを識別します。

    例:

    • アカウント番号のリストに基づいて文書をプルする場合。アカウント番号によって、文書がプルされるかどうかが決まります。
    • 郵便番号のリストに基づいて文書をプルする場合。郵便番号によって、文書がプルされるかどうかが決まります。
    • ポリシーのタイプと住所に基づいて文書をプルする場合。ポリシーのタイプと住所によって、文書がプルされるかどうかが決まります。

  2. IdentifyPDFDocuments ステップ (PDF ファイル) または IdentifyDocuments ステップ (AFP ファイル) で印刷ファイルの各文書を抽出するデータを指定するために使用する文書プロパティーを決定します。
    RICOH ProcessDirector に既存する文書プロパティーを使用するか、独自のカスタム文書プロパティーを定義できます。
    例:
    • Doc.PullProp 文書プロパティーを使用できます。これは、すべての文書処理機能に用意されています。
    • Doc.Custom.AccountNumberDoc.Custom.PostalCodeDoc.Custom.PolicyTypeDoc.Custom.State など、1 つまたは複数のカスタム文書プロパティーを使用できます。

      カスタム文書プロパティーがまだ存在しない場合は、定義する必要があります。

      注意:
    • 文書プロパティーを定義するには、次の手順に従います。
      • 文書プロパティー構成ファイルを編集します。
      • docCustom ユーティリティーを実行します。

        初めてユーティリティーを実行すると、カスタム文書プロパティー機能が作成されます。

      • Feature Manager を使用して、カスタム文書プロパティー機能をインストールまたは更新します。
      • PDF ファイルを処理する場合は、更新した RICOH ProcessDirector の文書プロパティーを RICOH ProcessDirector Plug-in for Adobe Acrobat に読み込みます。
  3. ジョブの各文書から IdentifyPDFDocuments ステップ (PDF ファイル) または IdentifyDocuments ステップ (AFP ファイル) が抽出するデータを指定します。
    • PDF ファイルを処理する場合は、RICOH ProcessDirector Plug-in for Adobe Acrobat文書プロパティーの定義機能を使用します。
    • AFP ファイルを処理する場合は、RICOH Visual Workbench の Document Property Designer (DPD) モードを使用します。
        注意:
      • AFPファイルで、抽出する文書データの索引タグが定義されていない場合は、AFP Indexerを使用してタグを追加します。AFP Indexerは、AFP Support機能とともにインストールされます。
  4. IdentifyPDFDocuments ステップ (PDF ファイル) または IdentifyDocuments ステップ (AFP ファイル) とともに使用する制御ファイルに、文書プロパティー定義を保存します。
    • PDF ファイルを処理する場合は、RICOH ProcessDirector Plug-in for Adobe Acrobat制御ファイルの保存機能を使用します。
    • AFP ファイルを処理する場合は、RICOH Visual Workbench制御ファイルの保存機能を使用します。
  5. RICOH ProcessDirector サーバーの RICOH ProcessDirector システムユーザーがアクセスできるディレクトリー内に制御ファイルを送信します。
  6. RICOH ProcessDirector にログインします。
  7. ワークフロータブをクリックします。
  8. 変更するワークフローのコピーを作成するか、新しいワークフローを作成します。

    この手順では、PDF ファイルを処理する簡単なワークフローを変更します。このワークフローには、次のステップがあります。

    • SetJobPropsFromTextFile
    • CountPages
    • IdentifyPDFDocuments
    • WriteDocumentsToDatabase
    • BuildPDFFromDocuments
    • UpdateDocumentsInDatabase
    • CreatePageRanges
    • PrintJobs
    • RetainCompletedJobs
    • RemoveJobs
      注意:
    • AFP Support 機能がインストールされている場合、AFP ファイルを変更する簡単なワークフローでは、 CountPagesステップの代わりに UseInlineFormDefinitionステップと EnableRepositioningステップが、 IdentifyPDFDocumentsステップの代わりに IdentifyDocumentsステップが、 BuildPDFFromDocumentsステップの代わりに BuildAFPFromDocumentsステップが組み込まれている場合があります。

  9. SetDocPropsFromList ステップテンプレートを基にしたステップを、 WriteDocumentsToDatabase ステップの後のワークフローに追加します。
  10. SetDocPropsFromList ステップのプロパティーの値を設定します。
    1. リストファイルディレクトリープロパティーに、プルリストを含むディレクトリーの場所を指定します。
      例:/aiw/aiw1/clientfiles/pull
    2. 区切り文字プロパティーに、プルリストの値に使用する区切り文字を指定します。
      プルリストが使用するプロパティーが 1 つのみの場合は、それぞれの値を別の行に入れ、改行を区切り文字として指定する必要があります。

      プルリストが使用するプロパティーが 2 つ以上の場合は、値のセットをそれぞれ別の行に入れます。それぞれの行の値に使用する区切り文字を、「タブ」「セミコロン」「コンマ」「スペース」「チルダ」から指定します。

      例:
      • プルリストには、アカウント番号が含まれています。
        4377852A
        4372341A
        4400076A
        4401132H
        区切り文字プロパティーの値を 改行に設定します。
      • プルリストには、以下のポリシーのタイプと状態がコンマ区切りで含まれています。
        Home,AZ
        Home,CO
        Auto,CO
        区切り文字プロパティーの値を コンマに設定します。
    3. リストファイルの列プロパティーに、文書がプルされるかどうかを決定するデータの指定に使用するすべての文書プロパティーを選択します。
      例:
      • Doc.PullProp
      • Doc.Custom.AccountNumber
      • Doc.Custom.PostalCode
      • Doc.Custom.PolicyType および Doc.Custom.State
    4. データを指定するために 2 つ以上の文書プロパティーを使用している場合は、文書プロパティーを (上から下に) 並べ、プルリストのデータ列の順序 (左から右) と一致させます。
      プロパティーを並べ替えるには、白い背景の灰色の鉛筆のイメージ(鉛筆アイコン)をクリックします。開いたダイアログで、選択した各プロパティーを右クリックし、 上に移動を選択します。選択したすべてのプロパティーがリストの一番上に表示された後、クリックして正しい順序にドラッグします。プロパティーを並べ替えた後、ダイアログの外側をクリックして閉じます。
    5. 余分な列で停止プロパティーについては、次の手順に従います。
      • プルリストにリストファイルの列プロパティーで指定されている文書プロパティーの数よりも多くのデータの列がある場合に、ステップをエラー状態にする場合は、 はいを選択します。

        例えば、プルリストにデータが 2 列あり、リストファイルの列プロパティーで 2 つの文書プロパティーを指定している場合は、 はいを選択します。リストファイルディレクトリーに配置されたプルリストにデータ列が 4 列ある場合に、ステップがエラーになるようにする場合。

      • プルリストにリストファイルの列プロパティーで指定されている文書プロパティーの数よりも多くのデータの列がある場合に、ステップをエラー状態にしない場合は、 いいえを選択します。

        例えば、プルリストにデータが 4 列あるが、最初の列のみ使用する場合は、いいえを選択します。 リストファイルの列プロパティーで、1 つの文書プロパティーを指定します。

          注意:
        • プルリストに余分な列がある場合、すべての余分な列は、使用する列の右側にある必要があります。

      リストファイルの列プロパティーで指定されているプロパティーの数よりも、プルリストのデータ列が少ない場合に、ステップを常にエラー状態にする場合。

    6. 設定する文書プロパティープロパティーに、文書がプルされるかどうかの指定に使用する文書プロパティーを選択します。
      Doc.Pullプロパティーが、すべての文書処理機能に用意されています。 設定する文書プロパティープロパティーの値に選択すると、便利です。また、カスタム文書プロパティーを作成できます。あるいは、既存の文書プロパティーを 設定する文書プロパティーの値として使用することもできます。
        重要:
      • ジョブの文書用の値をすでに含む文書プロパティーを使用すると、RICOH ProcessDirector によって、オリジナルの値が、一致する文書の新しい値、または他の文書の新しい値で上書きされます。オリジナルの値は新しい値によって置き換わるため、不要であることを確認してください。
    7. 一致する文書の値プロパティーと その他の文書の値プロパティーの値を指定します。
      設定する文書プロパティープロパティーの値として指定する文書プロパティーが、ジョブの文書プロパティーファイルに存在しない場合は、RICOH ProcessDirector によって、ファイルにその文書プロパティー用の列が作成され、 一致する文書の値プロパティーと その他の文書の値プロパティーに指定される値が列に取り込まれます。

      文書プロパティーが文書プロパティーファイルに存在しない場合は、RICOH ProcessDirector によって、 一致する文書の値プロパティーと その他の文書の値プロパティーの値に基づいて、プロパティーの値が変更されます。

      例:
      • 3 つの文書プロパティーを含む文書プロパティーファイル
        Doc.Custom.AccountNumber  Doc.Custom.PolicyType  Doc.Custom.State
        144372                    Home                   CO
        144372                    Auto                   CO
        144372                    Business               CO
        187456                    Home                   AZ
        187456                    Auto                   AZ
        187456                    Business               AZ
        223114                    Home                   NY
        223114                    Auto                   NY
        223114                    Business               NY
      • Doc.Custom.PolicyType文書プロパティーと Doc.Custom.State文書プロパティーの値を含むプルリストは次の通りです。
        Home,AZ
        Home,CO
        Auto,CO
      • 設定する文書プロパティープロパティーの値は Doc.Pull です。ジョブの文書プロパティーファイルに Doc.Pull 文書プロパティー用の列がありません。
      • 一致する文書の値プロパティーの値は、 はいです。
      • その他の文書の値プロパティーの値は、 いいえです。
      • ジョブが SetDocPropsFromListステップに入ると、RICOH ProcessDirector によって、次のように実行されます。
        • ジョブの文書プロパティーファイルに、Doc.Pull 用の列が作成されます。
        • 文書の文書プロパティーの値が、プルリストの文書プロパティーのすべての値と一致した場合、Doc.Pull 文書プロパティーの値に はいが設定されます。

          アリゾナ州 (AZ) の住宅ポリシーを含む文書と、コロラド州 (CO) の自動車ポリシーを含む文書の Doc.Pull 文書プロパティーの値に、 はいが設定されます。

        • 文書に、プルリストの文書プロパティーの値と一致する文書プロパティーの値がない場合は、この値にいいえが設定されます。

          アリゾナ州の自動車ポリシーを含む文書、住宅と自動車以外のすべてのポリシーを含む文書、そして、アリゾナ州とコロラド州以外の州のポリシーを含む文書の Doc.Pull 文書プロパティーの値に、 いいえが設定されます。

        • 更新され、4 つの文書プロパティーを含む文書プロパティーファイル
          Doc.Custom.AccountNumber  Doc.Custom.PolicyType  Doc.Custom.State  Doc.Pull
          144372                    Home                   CO                YES
          144372                    Auto                   CO                YES
          144372                    Business               CO                NO
          187456                    Home                   AZ                YES
          187456                    Auto                   AZ                NO
          187456                    Business               AZ                NO
          223114                    Home                   NY                NO
          223114                    Auto                   NY                NO
          223114                    Business               NY                NO
    8. 必要に応じて、その他のステッププロパティーを編集します。
  11. オプション: プルリストを受信するまでジョブを待機させる場合は、SetDocPropsFromList ステップの前のワークフローに、 待機ステップを追加します。ステッププロパティーの値を指定します。

    例:

    • 午後6時まで待機するには、待機期限プロパティーに6:00 PMを設定します。 待機期間プロパティーと この後にステップを完了プロパティーに値を指定しないでください。
    • 4 時間待機するには、待機期間プロパティーに 4 時間を設定します。 待機期限プロパティーと ステップの完了条件プロパティーに、値を指定しないでください。
    • 6時間の間か、午後5時までのいずれか早い時間まで待機するには、待機期限プロパティーに5:00 PMを設定し、 待機期間プロパティーに6時間を設定し、 ステップの完了条件プロパティーに 最初に発生を設定します。
    • 少なくとも3時間、または少なくとも午後4時までのいずれか遅い時間まで待機するには、待機期限プロパティーに4:00 PMを設定し、 待機期間プロパティーに3時間を設定し、 ステップの完了条件プロパティーに 最後に発生を設定します。

  12. SetDocPropsFromList ステップの後に、文書を処理するステップを追加します。

    例:

    • GroupDocuments ステップを追加して、 第 1 グループプロパティーの値を 文書のプルに設定できます。
    • それから、CreateJobsFromDocuments ステップを追加して、 子ワークフロープロパティーの値を、現在のワークフローの名前に設定できます。
        注意:
      • この例では、PullPDFSample が用意されているワークフローで、条件付き処理を使用します。または、 子ワークフロープロパティーを別のワークフローの名前に設定して、そのワークフローを使用して子ジョブを処理できます。
    • CreateJobsFromDocuments ステップでは、2 つの子ジョブが作成されます。1 つは、 文書のプルはいに設定されている文書のグループ用です。もう 1 つは、 文書のプルいいえに設定されている文書のグループ用です。

  13. プルされる文書と、ジョブに残る文書用に条件付き処理を追加します。
    例:
    • SetJobPropsFromTextFile ステップの後で、ワークフローの開始近辺にある親ジョブと子ジョブ用の条件付き処理を追加します。
      • 親ジョブを受け取る分岐用のルールを、次のように定義します。

        ジョブ番号 Not Like *.*

        この例では、この分岐は既存の DetectInputDataStream ステップに接続されています。

      • SetDocPropsFromConditions ステップテンプレートに基づくステップ。
      • 子ジョブ用に新しい分岐を作成します。これは、ジョブ番号に小数点があり、SetDocPropsFromConditions ステップへの分岐に接続します。

        この例では、SetDocPropsFromConditions ステップを、 UpdateDocumentsInDatabase ステップに接続されている BuildPDFFromDocuments ステップに接続します。

    • SetDocPropsFromConditions ステップのプロパティーを設定します。

      この例のステップでは、文書のプル文書プロパティーの値に基づくジョブプロパティーに値が割り当てられます。プロパティー条件ファイルで、 カスタム 1 ジョブプロパティー (データベースプロパティー名 Job.Info.Attr1) の値が Pull または Print に設定されます。プロパティー条件ファイルの内容を次の例に示します。

      "Doc.Pull","Job.Info.Attr1"
      "=YES","Pull"
      "=NO","Print"

  14. プルされた文書を処理するステップを追加します。
    例えば、PDF ジョブを処理する場合、文書がプルされたことを確認するために誰かにプルされた文書を E メールで送信する EmailDocuments ステップを追加できます。
  15. 印刷する文書を処理するステップを追加します。

    例えば、PDF ジョブを処理する場合、CreatePageRanges ステップと PrintJobs ステップを追加できます。

  16. ワークフローのプル分岐と印刷分岐を区別するための子ジョブを送信する条件付き処理を追加します。
    • この例では、UpdateDocumentsInDatabase ステップと新しい EmailDocuments ステップの間にコネクターを追加します。このルールを次のようにコネクターに追加します。 Custom 1 = Pull
    • この例では、UpdateDocumentsInDatabase ステップと CreatePageRanges の間にコネクターを追加します。このルールを次のようにコネクターに追加します。 Custom 1 = Print
    ジョブがワークフローを通じて送信され、子ジョブがSetDocPropsFromConditionsステップに到達すると、RICOH ProcessDirector によって、 カスタム 1ジョブプロパティーの値が次のように設定されます。
    • Doc.Pull プロパティーに はいが設定されている子ジョブには、 カスタム 1 ジョブプロパティーに Pull が設定されます。子ジョブは、 カスタム 1 = Pull というルールがあるコネクターを移動します。
    • Doc.Pull プロパティーに いいえが設定されている子ジョブには、 カスタム 1 ジョブプロパティーに Print が設定されます。子ジョブは、 カスタム 1 = Print というルールがあるコネクターを移動します。
  17. 親ジョブと子ジョブ用に条件付き処理を作成していた場合は、次のようにして、親ジョブと子ジョブを一緒に RetainCompletedJobs ステップに送信します。
    1. WaitForRelatedJobs ステップテンプレートを基にしたステップを、 RetainCompletedJobs ステップの前のワークフローに追加します。
    2. 親ジョブの分岐と、子ジョブの 2 つの分岐を WaitForRelatedJobs ステップに接続します。
      この例では、これらのステップを次のように WaitForRelatedJobs ステップに接続します。
      • 親ジョブの分岐にある CreateJobsFromDocuments
      • プルされた文書がある子ジョブの分岐にある EmailDocuments
      • 印刷する文書がある子ジョブの分岐にある PrintJobs
    このワークフローは、PullPDFSample ワークフローに似ていますが、次のような違いがあります。
    • PullPDFSample には、 DetectInputDataStream ステップ、 FailWithMessage ステップ、 SetDocPropsFromOriginal ステップ、 CountPagesChild ステップ、 AssignJobValuesPull ステップ、および AssignJobValuesPrint ステップがあります。
    • このワークフローには、PullPDFSample ワークフローの AssignJobValuesPull ステップと ManualStepWithAutoRestart の代わりに、 EmailDocuments ステップがあります。
  18. ワークフローを保存します。
  19. 次の手順に従い、ワークフローをテストします。
    1. ワークフローをポイントする入力装置を 1 つ以上作成します。
    2. ワークフローを使用可能にします。
    3. 入力装置を使用可能にします。
    4. リストファイルディレクトリーに、サンプルのプルリストを配置します。
    5. ジョブを入力装置に実行依頼します。