チェックポイント間隔

サービスポリシーで定義されている各チェックポイントについて、サービスポリシーでは時間間隔を指定します。間隔は、ジョブのフェーズの完了に要すると予想される時間の長さです。この間隔には、ワークフローのステップに設定された推定期間は含まれていません。

各フェーズの間隔は、チェックポイント開始時刻から始まります。これはすべての間隔で同じ時刻です。チェックポイント開始時刻は、次のいずれかの時刻です。

  • ジョブの最後のファイルがシステムに到着した時刻 (ジョブ到着時刻)。ジョブに子ジョブを作成した場合、子ジョブのジョブ到着時刻は親ジョブと同じです。
  • RICOH ProcessDirectorまたは許可ユーザーによって設定された開始時刻 (調整済み到着時刻)。
  • サービスポリシーで指定された固定開始時刻 (サービスポリシー開始時刻)。

デフォルトでは、調整済み開始時刻とジョブ到着時刻は同じです。RICOH ProcessDirector によって新しい調整済み開始時刻が設定されることもあります。

  • ジョブが新しいワークフローに割り当てられたとき
  • ジョブで特定の手順が実行されたとき
  • ジョブが分割または混合されたとき

サービスポリシーでは、すべてのジョブを定刻に印刷しなければならない場合、固定開始時刻を指定します。例えば、すべてのジョブを翌日の 10:00 までに印刷しなければならない場合は、サービスポリシーで、印刷フェーズに対して開始時刻に 10:00、間隔に 24 時間を指定します。

サービスポリシーで固定開始時刻を指定する際は、次のいずれかの調整方法を指定できます。調整方法は、チェックポイント開始時刻の調整方法を RICOH ProcessDirector に指示するためのものです。調整方法には次があります。

  • カットオフ: チェックポイント開始時刻は、調整済み到着時刻がサービスポリシー開始時刻より前であるか、後であるかによって異なります。調整済み到着時刻によって、次のようになります。
    • サービスポリシー開始時刻より前である場合、チェックポイント開始時刻は、調整済み到着時刻と同日のサービスポリシー開始時刻です。
    • サービスポリシー開始時刻より後である場合、チェックポイント開始時刻は、翌日のサービスポリシー開始時刻です。
    調整済み開始時刻が変わると、チェックポイント開始時刻も変わる場合があります。
  • 開始: チェックポイント開始時刻は、調整済み到着時刻と同日の、サービスポリシーで指定された開始時刻です。

下の図は、連続するフェーズのチェックポイント開始時刻と間隔がどのような相関関係にあるかを示しています。各フェーズの間隔は、前のフェーズの終わりからではなく、同じチェックポイント開始時刻から始まることに注意してください。したがって、各フェーズの間隔には、先行するすべてのフェーズの完了に要する時間が含まれています。

チェックポイント開始時刻 <- 受信間隔 -> 受信フェーズの終わり
チェックポイント開始時刻 <- 準備間隔 -> 受信 + 準備フェーズの終わり
チェックポイント開始時刻 <- 準備間隔 -> 受信 + 準備 + 印刷フェーズの終わり
チェックポイント開始時刻 <- 完了間隔 -> 受信 + 準備 + 印刷 + 完了フェーズの終わり
注意: フェーズ名を、そのフェーズで適切に実行できる機能に合った名前に変更できます。

次の例は、異なる調整方法を使用した場合の、サービスポリシーで指定する開始時刻と間隔を示しています。

調整方法なし: この例では、調整済み到着時刻の 4 時間後にジョブを印刷する必要があります。調整方法が[なし]であるため、チェックポイント開始時刻は調整済み到着時刻と同じになります。調整済み到着時刻がリセットされていない場合は、ジョブがシステムに到着した時刻と同じになります。

開始時刻: 指定なし
調整方法: なし
受信チェックポイントの間隔: 20 分
準備チェックポイントの間隔: 2 時間
印刷チェックポイントの間隔: 4 時間
ジョブ到着時刻 <- 受信間隔= 20 分-> ジョブ到着 + 20 分
ジョブ到着時刻 <- 準備間隔= 2 時間-> ジョブ到着 + 2 時間
ジョブ到着時刻 <- 印刷間隔= 4 時間-> ジョブ到着 + 4 時間

カットオフ調整方法: この例では、調整済み到着時刻が 10:00 より前の場合は 18:00 までに印刷しなければなりません。そうでない場合、ジョブは翌日の 18:00 までに印刷しなければなりません。調整方法が[カットオフ]であるため、チェックポイント開始時刻は、調整済み到着時刻と同日、またはその翌日の開始時刻 (10:00) になります。

開始時刻: 10:00
調整方法: カットオフ
受信チェックポイントの間隔: 20 分
準備チェックポイントの間隔: 4 時間
印刷チェックポイントの間隔: 8 時間
10:00 <- 受信間隔 = 20 分-> 10:20
10:00 <------ 準備間隔 = 4 時間 ------> 14:00
10:00 <------------ 印刷間隔 = 8 時間------------> 18:00

開始調整方法: この例では、調整済み到着時刻の翌日の 16:00 までに印刷しなければなりません。調整方法が[開始]であるため、チェックポイント開始時刻は、調整済み到着時刻の同日の開始時刻 (23:59) になります。

開始時刻: 23:59
調整方法: 開始
受信チェックポイントの間隔: 20 分
準備チェックポイントの間隔: 4 時間
印刷チェックポイントの間隔: 16 時間
23:59 <- 受信間隔 = 20 分 -> 00:19
23:59 <------ 準備間隔 = 4 時間 ------> 03:59
23:59 <------------------ 印刷間隔 = 16 時間 ------------------> 15:59

注意: 以上の例では、各サービスポリシーで、印刷フェーズの最終チェックポイントと、受信および準備フェーズの中間チェックポイントが定義されています。中間チェックポイントを使用すると、最終チェックポイントを逃す前に、遅れたジョブを見つけることができます。例えば、エラー (変換エラーなど) が準備フェーズ中に発生した場合に準備チェックポイントを逃すと、RICOH ProcessDirector によってジョブに「遅延」のマークが付けられます。オペレーターがエラーを訂正する場合、ジョブは時間内に印刷を完了できる可能性があります。