関連プロパティーファイルを作成する

関連プロパティーファイルを作成して、ジョブに関連付けられているが、他のオブジェクトのプロパティーである 1 つ以上のプロパティーを指定できます。StoreInRepository ステップテンプレートに基づくステップが実行されると、値がジョブと文書データともにリポジトリーに保存されます。例えば、ジョブに要求されたプリンターのモデルや、ジョブの印刷に指定されたカラーを保存できます。

    注意:
  • 関連プロパティーファイルで定位置ジョブプロパティーを指定し、リポジトリーに値を保存することもできます。定位置ジョブプロパティーを、StoreInRepository ステップの 保存するジョブプロパティープロパティーの値として選択することはできません。ワークフローで、定位置プロパティーの値が、同じステップテンプレートに基づく別のステップとは異なる場合があります。

定位置ジョブプロパティー

定位置ジョブプロパティーを保存するには、プロパティー、ステップがあるフェーズ、プロパティーのあるステップの内部名、プロパティーのラベルを指定します。構文は次のとおりです。

Job_property[Phase][Step_identifier]:Property_label

この例では、Automated Verification機能があり、挿入フェーズの ReadBarcodeDataステップが、インサーターを通じてジョブの文書を追跡するのに使用するバーコードリーダーの名前を保存します。

関連プロパティーファイルを作成する際に、次の行をテキストエディターに入力します。

Job.TrackAndTrace.BarcodeReader[Insert][ReadBarcodeData]:Property_label

プロパティーのラベルは Job.BarcodeReader などになります。

StoreInRepository ステップが実行されると、RICOH ProcessDirector が次を実行します。

  1. 挿入フェーズの ReadBarcodeData ステップの バーコードリーダージョブプロパティー (データベース名 Job.TrackAndTrace.BarcodeReader) の値を取得します。

    この値は BarcodeReader1 などになります。

  2. ジョブの他の情報とその文書とともに バーコードリーダープロパティーの値をリポジトリーに保存します。

ステップテンプレートのプロパティーが定位置にあるかどうかを確認するには、[?]アイコンをクリックし、ヘルプの使用上の注意を確認します。

ジョブに関連付けられたプロパティー

もう 1 つのオブジェクトのプロパティーの値を保存するためには、そのプロパティーに関係の連鎖を作成できるようになる必要があります。連鎖は、オブジェクトを値として指定するジョブプロパティーで始めます。連鎖の次のプロパティーは、ジョブプロパティーで指定されているオブジェクトのプロパティーになります。連鎖は、保存する値のプロパティーで終わります。

連鎖は、オブジェクトを値として指定する任意のプロパティーで始めることができますが、これらのジョブプロパティーでほとんどのニーズを満たします。

オブジェクト ジョブプロパティーのユーザーインターフェース名 ジョブプロパティーのデータベース名 基本製品または機能
バーコードリーダー バーコードリーダー Job.TrackAndTrace.BarcodeReader 自動確認
入力装置 なし Job.SourceInputDeviceName 基本製品
インサーター インサーターコントローラー Job.InserterSystem.ID インサーター
メディア メディア Job.Media 基本製品
プリンター 要求されたプリンター Job.RequestedPrinter 基本製品

次の行で、関連プロパティーを指定する構文の簡単なバージョンを示します。

Property_to_store@Job_property:Property_label
    注意:
  • PrintJobs ステップで いずれかのプリンターを選択しても、Job.RequestedPrinter データベース名は使用できません。名前を Job.PreviousPrinter に置き換えます。

コロンで始まり、右から左へプロパティーが読み込まれます。連鎖のプロパティーの数は、様々です。@ シンボルで、プロパティーを区切ります。コロンの右側がプロパティーのラベルです。プロパティーのラベルは必須です。

以下の例では、プロパティーのユーザーインターフェイス名を ( ) で囲んだデータベース名とともに示します。関連プロパティーファイルを作成する際に、データベース名を使用します。

  • プリンターのモデルプリンタープロパティー (データベース名 Printer.Model.Specific) の値を保存するとします。 要求されたプリンタージョブプロパティー (データベース名 Job.RequestedPrinter) をプリンタープロパティーに直接つなげます。

    関連プロパティーファイルを作成する際に、次の行をテキストエディターに入力します。

    Printer.Model.Specific@Job.RequestedPrinter:Property_label

    プロパティーのラベルは Job.PrinterModel などになります。

    StoreInRepository ステップが実行されると、RICOH ProcessDirector が次を実行します。

    1. 要求されたプリンタープロパティーの値を取得します。

      この値はPrinter4などになります。

    2. Printer.Model.Specific プロパティーの Printer. 部分を使用して、連鎖の次のオブジェクトであるプリンターオブジェクトを識別します。
    3. Printer4プリンターのモデルの値を取得します。

      この値は Ricoh Pro C901 などになります。

    4. プリンターのモデルプロパティーの値を、ジョブの他の情報とその文書とともにリポジトリーに保存します。
        重要:
      • ジョブプロパティーと、次のプロパティーのオブジェクト部分の間のリンクは重要です。要求されたプリンタージョブプロパティーをプリンタープロパティーとリンクする必要があります。プリンタープロパティーのデータベース名は、 Printer で始まります。このトピックの最後で挙げる例で、中間プロパティーを使用して、ジョブプロパティーともう 1 つのプロパティーをリンクする方法を示します。

  • この例では、Automated Verification機能があり、 バーコード形式プロパティー (データベース名 BarcodeReader.BarcodeFormat) の値を保存します。 バーコードリーダージョブプロパティー (データベース名 Job.TrackAndTrace.BarcodeReader) を Barcode Format プロパティーに直接つなげることができます。 バーコードリーダープロパティーは定位置プロパティーなので、フェーズおよびステップ ID を指定する必要があります。

    2 つの異なるステップがバーコードを読み込みますが、その 2 つのステップのバーコードリーダーは異なるバーコード形式を使用します。挿入フェーズで ReadBarcodeData ステップが使用するバーコードリーダーが必要です。

    関連プロパティーファイルを作成する際に、次の行をテキストエディターに入力します。

    BarcodeReader.BarcodeFormat@Job.TrackAndTrace.BarcodeReader[Insert][ReadBarcodeData]:Property_label

    プロパティーのラベルは Job.BarcodeFormat などになります。

    StoreInRepository ステップが実行されると、RICOH ProcessDirector が次を実行します。

    1. 挿入フェーズの ReadBarcodeData ステップの バーコードリーダーの値を取得します。

      この値は BarcodeReader2などになります。

    2. BarcodeReader.BarcodeFormat プロパティーの BarcodeReader. 部分を使用して、連鎖の次のオブジェクトであるバーコードリーダーオブジェクトを識別します。
    3. BarcodeReader2バーコード形式の値を取得します。

      この値はBarcodeFormat2などになります。

    4. ジョブの他の情報とその文書とともにバーコード形式プロパティーの値をリポジトリーに保存します。

関連プロパティーファイルを作成するには、次の手順を実行します。
  1. テキストエディターで新しいファイルを作成します。
  2. 保存する値の最初のプロパティーに関する行を入力します。

    次の構文を使用します。

    Property_to_store@Intermediate_property@Job_property[Phase][Step_identifier]:Property_label

    ここで、

    • Property_to_store は、保存するプロパティーのデータベース名です。
    • Intermediate_property は中間プロパティーのデータベース名です。必要な場合は、これでメディアなどの中間オブジェクト指定することで、ジョブプロパティーを保存するプロパティーにリンクします。中間プロパティーを 2 つ指定する必要がある場合は、@ シンボルで区切ります。

      Intermediate_property を使用しなくても、多くのジョブプロパティーを直接プロパティーにリンクできます。

    • Job_property[Phase][Step_identifier] が、その部分です。
      • Job_property は、プリンターなどのオブジェクトを識別するジョブプロパティーのデータベース名です。

        定位置ジョブプロパティーは、StoreInRepository ステップで 保存するジョブプロパティーの値として使用できません。これをを保存する場合は、Job_property が定位置ジョブプロパティーのデータベース名です。追加のプロパティーを指定する必要はありません。

      • プロパティーが定位置プロパティーの場合、Phase がステップのあるフェーズの名前です。Step_identifier はプロパティーがあるステップの内部名です。

        プロパティーが定位置プロパティーでない場合は、「Phase」または「Step_identifier」を入力しないでください。

    • Property_labelは、[アーカイブ]タブの[結果]テーブルの 詳細を表示をクリックすると、[プロパティー]タブに表示される名前です。Job形式をお勧めします。MyProperty. 関連プロパティーファイルの各プロパティーのプロパティーラベルは一意である必要があります。

    例えば、次のように入力します。

    Job.TrackAndTrace.BarcodeReader[Insert][ReadBarcodeData]:Job.BarcodeReader

  3. 2 番目のプロパティーに値を保存する場合は、改行を入力してから、2 番目のプロパティー用に以前のステップを繰り返します。

    例えば、次のように入力します。

    Printer.Model.Specific@Job.RequestedPrinter:Job.PrinterModel

  4. テキストファイルを保存します。
    この例では、ファイルに associatedproperties.txt という名前を付けます。
  5. RICOH ProcessDirectorサーバーのRICOH ProcessDirectorシステムユーザーがアクセスできるディレクトリー内に関連プロパティーファイルを送信します。

これで、ワークフローの StoreInRepository ステップの 関連プロパティーファイルプロパティーの値として、このファイルを使用できます。

StoreInRepository ステップが実行されると、RICOH ProcessDirector が、関連プロパティーファイルで指定されているそれぞれの保存済みプロパティーの値を (各文書とジョブとともに) 保存します。

  • 関連プロパティーファイルの行に保存されているプロパティー値がヌルの場合、RICOH ProcessDirector は、そのプロパティーのヌル値を保存します。
  • プロパティーで複数の選択が許可されている場合は、RICOH ProcessDirector は、複数の選択を縦線 (|) で区切って保存します。例えば、保存されるプロパティーの値は BarcodeReader1|BarcodeReader2 などになります。
  • 複数の値がジョブプロパティーと関連オブジェクトプロパティーの両方に選択されている場合、RICOH ProcessDirectorは、下線とジョブプロパティーの名前をプロパティーのラベルに追加します。RICOH ProcessDirector はジョブプロパティー値を個別に保存します。例:
    Job.BarcodeFormat_BarcodeReader1    Job.BarcodeFormat_BarcodeReader2
    BarcodeFormat1|BarcodeFormat2          BarcodeFormat3

ユーザーは、これらのプロパティーのリポジトリーを検索できません。ジョブプロパティーまたは文書プロパティーを[アーカイブ]タブで検索した後に、[結果]テーブルの詳細を表示をクリックすると、RICOH ProcessDirectorが[プロパティー]タブに関連プロパティーの値を表示します。

ジョブの印刷に要求されるプリンターのモデルを保存する
  • ファイルの内容:
    Printer.Model.Specific@Job.RequestedPrinter:Job.PrinterModel
  • プリンターのモデルプロパティーの値:
    Ricoh Pro C901
  • 特定のジョブとそのジョブの各文書用にリポジトリーに保存される情報:
    Job.PrinterModelRicoh Pro C901
  • 検索結果の[プロパティー]ノートブックに表示される情報:

    Job.PrinterModel: Ricoh Pro C901

      注意:
    • 関連プロパティーファイルの処理中は、RICOH ProcessDirectorJob_property_identifying_object プロパティーの値や Property_identifying_intermediate_object プロパティーを保存または表示しません。
    • PrintJobs ステップで いずれかのプリンターを選択しても、Job.RequestedPrinter データベース名は使用できません。名前を Job.PreviousPrinter に置き換えます。

バーコードリーダーで使用されるバーコード形式を保存する
  • ファイルの内容:
    BarcodeReader.BarcodeFormat@Job.TrackAndTrace.BarcodeReader[Insert][ReadBarcodeData]:Job.BarcodeFormat
  • ReadBarcodeData ステップで選択されているバーコードリーダー:
    • BarcodeReader1
    • BarcodeReader2
  • BarcodeReader1 で選択されているバーコード形式:
    • BarcodeFormat1
    • BarcodeFormat2
  • BarcodeReader2で選択されているバーコード形式: BarcodeFormat3
  • 特定のジョブとそのジョブの各文書用にリポジトリーに保存される情報:
    Job.BarcodeFormat_BarcodeReader1    Job.BarcodeFormat_BarcodeReader2
    BarcodeFormat1|BarcodeFormat2          BarcodeFormat3
  • 検索結果の[プロパティー]ノートブックに表示される情報:

    Job.BarcodeFormat_BarcodeReader1: BarcodeFormat1|BarcodeFormat2

    Job.BarcodeFormat_BarcodeReader2: BarcodeFormat3

インサーターで使用される再印刷方式を保存する
  • ファイルの内容:
    InserterSystem.ReprintMethod@Job.InserterSystem.ID:Job.InserterReprintMethod
  • 再印刷方式プロパティー値 (データベース名 InserterSystem.ReprintMethod):
    Open loop
  • 特定のジョブとそのジョブの各文書用にリポジトリーに保存される情報:
    Job.InserterReprintMethod
    Open loop
  • 検索結果の[プロパティー]ノートブックに表示される情報:

    Job.InserterReprintMethod: Open loop

ジョブを受信した入力装置のフォルダー位置を保存する
  • ファイルの内容:
    InputDevice.FolderLocation@Job.SourceInputDeviceName:Job.InputDeviceFolder
  • フォルダー位置プロパティー値 (データベース名 InputDevice.FolderLocation):
    /aiw/aiw1/System/hf/defaultPDF
  • 特定のジョブとそのジョブの各文書用にリポジトリーに保存される情報:
    Job.InputDeviceFolder
    /aiw/aiw1/System/hf/defaultPDF
  • 検索結果の[プロパティー]ノートブックに表示される情報:

    Job.InputDeviceFolder: /aiw/aiw1/System/hf/defaultPDF

ジョブの印刷に要求されるメディアのカラーを保存する
  • ファイルの内容:
    MediaType.Color@Media.MediaTypeID@Job.Media:Job.MediaColor
  • メディアのカラー プロパティー値 (データベース名 MediaType.Color):
    Ricoh Pro C901
  • 特定のジョブとそのジョブの各文書用にリポジトリーに保存される情報:
    Job.MediaColor
    Blue
  • 検索結果の[プロパティー]ノートブックに表示される情報:

    Job.MediaColor:青

    注意:
  • メディアのカラープロパティーは、 メディアの重量 (データベース名 MediaType.Weight) や メディアの詳細 (データベース名 MediaType.Details) など、他のメディアタイププロパティーに置き換えることができます。

    メディアの重量(データベース名 MediaSize.Height)などのメディアサイズプロパティーの値を保存するには、次の行を使用します。MediaSize.Height@Media.MediaSizeID@Job.Media:Job.MediaHeight